多くの牛と豚の尊い命が亡くなりました・・・多くの人間が心を痛めました・・・しかし宮崎は再び歩き始めます

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(軌跡5)宮崎子牛育成日記

口蹄疫の防疫措置では、農場内にあった大量の飼料も処分対象となりました。牛の巨大な体を維持したり、成長させたりする場合、大量の飼料が必要となるため、処分された飼料も大量になりました。
また、一定期間地域に牛が居なくなったことによって、多くの飼料用に作付けされた作物が利用されることなく畑に残されました。農家の仕事は、牛の世話だけでなく、これらの作物を無駄にすることは非常につらいことでした。


写真1_convert_20110307090914
(生後2ヶ月のオス子牛(右)と生後7ヶ月のメス子牛(左)の様子)
黒毛和種牛は平均30Kg程度で生まれてきて1歳を迎えるときには体重が10倍以上の350Kgに達します。生後36ヶ月程度まで発育を続けますが、その間に雌牛であれば妊娠と出産を経験し、肥育牛であれば肥育期間を経て肉として出荷されます。大きいもので1トン近くまで成長します。
人間にこの成長を当てはめてみると、3kg程度で生まれた赤ちゃんが3歳の誕生日に90Kg近くに成長するということで、牛は本当にすごい生き物なのです。


1胃2胃
【胃①】
【胃②】
3胃4胃
【胃③】【胃④】
(胃袋の写真)
この成長を成し遂げる秘密が牛の4つに分かれた胃袋と長い腸に隠されています。牛の胃袋は4つに分かれていて、1番目から3番目の胃袋は反芻胃(容積90~220リットル)と言われ、微生物が胃袋の中に共生しています。4番目の胃袋が私たち人間と同じ機能をもっている胃(容積7~15リットル) です。
これらの胃袋は食用のホルモンでもおなじみで第一胃はミノ、第二胃はハチノス、第三胃はセンマイ、第四胃はギアラとして流通しています。これらは見たままの形状から名前が付いたのでは、と考えられる部分もあります。
牛の腸もまた非常に長く、体長の20~25倍あります。よって成牛であれば、腸の全長は約50mに達します。


写真4_convert_20110307092407写真3_convert_20110307092327
【原虫①】【原虫②】
(胃に共生している原虫の様子)
牛の反芻胃には様々な微生物が住んでいます。細菌や原虫、真菌やバクテリオファージのように非常に小さな生き物が住んでいて、牛が食べて飲み込んだものを次々と休むことなく消化しているのです。これらの微生物は、牛が食べたものを発酵、分解しており、牛自体はこれらの微生物の発酵・分解して出来たものを吸収してあの巨体を維持しているわけです。
 もちろん、発酵が進むと胃袋の中に酢をはじめとする酸性の物質がたくさんできてしまうので、牛はアルカリ性のつばと混ぜ合わせるために反芻を行います。反芻とは、胃袋で発酵中の餌をもう一度口の中に戻して約10回程度かんでつばと混ぜ合わせ、さらに細かくして胃に戻すことを言います。この反芻によって、牛の胃の中は適度な状態で維持されているわけです。
牛は1日のうち10時間以上をこの反芻に費やしています。
出てくるつばの量は1日あたりなんと100~180リットルと言われています。
牛の餌は基本的にはイネ科の草です。体重の1.4~3.0%もの餌を食べることが可能です。500Kgの繁殖用雌牛ならば、日に10Kg以上の草を食べることが可能なわけです。国産の自給飼料でまかなえられれば一番よいことですが、現在、牛の飼料は外国から輸入されているものも多く利用されています。


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(飼料用稲ワラの保管の様子)
飼料用の稲ワラです。ワラといえば、人間が食べる実の部分をとったあとの茎と葉の部分を乾燥させたものです。トラクターが普及する前の日本では、役として使われる牛が農家には必ずいて、その糞は田の肥やしとなり、取れたワラは牛の餌として使うという光景があちらこちらで見られました。現在、牛を役として使っている農家はほとんどいないと考えられます。
飼料をこのようにビニールでぐるぐる巻きにして保管する方法が農家の間で普及しています。このぐるぐる巻きによって、雨風にさらされず、安定した品質で大量に保管できるようになりました。


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(オーツヘイ乾草)
輸入品のオーツヘイです。主にオーストラリアから入るケースが多いようです。主に、子牛や肥育の前期で使われるケースが多い飼料です。


写真7_convert_20110307092545
(チモシー乾草)
輸入品のチモシーです。主にオーストラリアやアメリカから入るケースが多いようです。
主に子牛で使用されるケースが多い飼料です。他にもイタリアンなど多くの種類の草が国境を越えて日本の牛の飼料として輸入されています。


写真8_convert_20110307092621
(トウモロコシサイレージ)
トウモロコシのサイレージです。サイレージとは、飼料中の酸素を出来る限り抜いて嫌気的に発酵させたものです。良質の乳酸発酵をした場合はほとんど匂いのしないものとして出来上がります。


写真9_convert_20110307092653写真10_convert_20110307092730
【配合飼料①】【配合飼料②】
(配合飼料)
子牛用の配合飼料です。日本の畜産ではアメリカ産のトウモロコシが大量に使用されています。このような配合飼料は、牛のステージ別に様々に工夫されて多くの種類があります。肥育用の配合飼料、繁殖用の配合飼料、育成期用の配合飼料というように、トモロコシやダイズ、糠やふすまといったようにいろんな穀類を利用して牛を飼っています。これらの配合飼料の材料もほとんどが輸入の品に頼っているのが現状です。真の意味での食料自給率としたときに、国産牛が100%でない理由がここにあります。
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